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会長のひとこと


【丹沢で遭難事故増加】

会長の日々思うこと、山の話、道具の話等、毎月更新しています。

 秦野警察署によると、同署管内での2022年の山岳遭難事故は32件36人と前年より4件5人増加している。年に入ってからも増加傾向は変わらず、5月末時点で昨年同時期より6件多い16件の山岳遭難事故が発生している。
 死亡事故には至らないものの、下山中、階段状に設置された丸太に足を滑らせて大けがであるとか、登山中に転倒して足をひねったり、体調が悪くなったりするなどにて警察や消防に救助されたということです。
 コロナ禍の中、山に行く機会が少なくなっていて体力的に落ちていたにも関わらず、コロナが落ち着いたことにより山に出かけて体調を崩す、転倒するというような事が起きているかと思われます。以前は登れたとか、コースタイム通りなら行けるとか、体力を過信して山に行ってしまうとこのような事態を招くことが多いかと思います。
 まずは登山計画書を作成し、自分が行くべき山をシュミレーションして時間的には余裕をもった計画を立てて行くべきである。山岳会に入っていれば個人山行であっても登山計画書を必ず作成し提出します。計画が無謀であれば指摘が入ります。メンバーに下山報告を受けて頂くようにしています。また、登山口のポストに提出し山に入ります。
 登山計画書を作成して提出したからといって事故は起きない訳ではありませんが、事前にその山でのリスクや危険個所を捉えておくことは事故は起きるリスクを軽減できると思います。連れて行ってもらうのではなく、自分が積極的に山に登る習慣を身につけましょう。
 個人の方は登山計画書等は作成せずに安直に山に入ることが多いと思われる。体力的なもの、登山者が他にもたくさんいるから大丈夫などと他力本願では困ります。ちゃんと自分の体力を考えて、もしくは一緒に行く人の体力を考えて行程的に余裕を持った計画を立て、それに沿った行動をとりましょう。その際に大幅に遅れが発生しているとか、時間的に厳しくなれば登頂をあきらめて下山する勇気も必要かと思います。
 登山は登頂して終了ではありません。登頂し下山するまでが山です。登頂に100%の力を使ってしまっては下山することが出来ません。特に下山時に事故が多いのも、登頂して疲れ切ってしまうとか、後は下るだけという気の緩みが引き起こすことかと思います。本当に下山するまで気を緩めずしっかり下ってくることが大切です。

 丹沢での山岳遭難事故が少なくなることを秦野山岳会でも祈ります。 (りょうま)