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会長のひとこと


【クライミングロープについて】

会長の日々思うこと、山の話、道具の話等、毎月更新しています。

◆ロープのタイプと特徴
 @ダイナミックロープ
  ・内芯(コア)と外皮(シース)で構成される(カーンマントル構造)ナイロン製編みロープ
  ・ダイナミックロープは伸びるロープで(伸縮率10-35%)万が一落下した時の衝撃をロープの伸びで吸収します。
  ・UIAAで定める基準を満たしたロープを使用する。
  ・使用目的により3つのタイプに分類されます。
   (1)シングルロープ・・ロープ径8.6〜11mm 1本で使用
                ジムや岩場のルートクライミング
   (2)ダブルロープ・・・ロープ径8mm〜 2本を交互に振り分けて使用
               アルパインクライミング
   (3)ツインロープ・・・ロープ径7.4〜8mm 2本を1本にまとめて使用 
               アイスクライミング、沢
 Aスタティックロープ
  ・伸びないロープ(伸縮率10%以下)セミスタティックロープ
  ・FIXロープ、救助用ロープ、荷揚げ、荷下げ用ロープ
◆ロープの性能(シングルロープ)
 @ロープ径
  ・太いロープ
   ・メリット・・・強度や衝撃の吸収性が高い、太いためビレイしやすい
   ・デメリット・・重い、がさばる、リード時のクリップにストレス
   ・使用者・・・・トップクライミング、初級者、クライマートビレイヤと体格差がある場合
  ・細いロープ
   ・メリット・・・軽い、コンパクト、リード時のクリップしやすい
   ・デメリット・・強度や衝撃の吸収性が劣る、ビレイがやや難しい
   ・使用者・・・・アプローチの長い岩場、高難度のグレードにトライする上級者
 A耐墜落回数
  ・ロープの規格適合試験の際の墜落回数、多いほどロープの耐久性が高い
 B最大衝撃荷重
  ・墜落の際、身体に係る衝撃の値、数値が低いほどロープの性能が高い
 C伸び率
  ・荷重が掛かった時のロープの伸び率、50mロープで10%なら5m伸びることになります
 D重量(1mあたり)
  ・ロープの重量のこと。径が細いから軽いとは限らない
 E防水加工
  ・水を吸収しないので濡れても重くなりにくい。また、汚れも付きにくくなります
 Fロープの寿命
  ・使用頻度が低い場合(休日のみ)・・・2年
  ・通常の使用頻度(週末と休日) ・・・1〜2年
  ・使用頻度が高い場合(ガイド、フルタイムクライマー)・・・3か月〜1年
◆正しいロープの扱い方
 ・片方ばかり使用せずにロープの末端を入れ替えて使用する。片方だけ使用し、何度も落下するとロープの繊維が伸びて衝撃吸収力が低下します。
 ・泥がつかないようにする。泥はロープの繊維内に入り込んでロープを傷つけます。クイックドローやATCでこすれるとやはりロープが傷つきます。
 ・ロープは踏まないようにします。
 ・ロープバックを使用してロープを保護します。

クライミングではロープが非常に重要なアイテムです。ロープの特性を十分理解したうえで大切に使用しましょう。 (りょうま)